ITが急速に発展したことにより、経済活動だけでなく生活そのものが変化しました。
いまやITは、社会にとって不可欠なものとなっています。
これは、企業にとっても同じことがいえます。
インターネットやメールが使えなければ、ビジネスに支障が出るという企業がほとんどでしょう。
そこで新たに、サイバーセキュリティということにも力を入れる必要性が出てきています。
企業に取り入れたいサイバーセキュリティの必要性
ITはビジネスにとって非常に役に立つものですが、それを逆手に取った犯罪も出現しています。
企業を狙ったサイバー攻撃は年々増加しており、危機管理という面で企業はサイバーセキュリティを無視することができなくなりました。
サイバー攻撃により顧客情報の漏洩が発生すれば、賠償金を支払わなければならない可能性もあります。
大規模な流出になると、数億円規模の賠償金が必要な場合もあるのです。
体力のない企業では、賠償金だけで存続が危うくなります。
さらに、顧客情報の流出が起これば、企業に対する信用がなくなります。
これまで長年にわたって築いてきた信頼を、一瞬で失うことに繋がるのです。
体力のある大企業でも、一度信用を失うと存続することが難しくなります。
サイバー攻撃は、企業の存続を脅かす重大な危機ということができるのです。
そんな攻撃から身を守るには、企業のサイバーセキュリティを強化するしか手がありません。
だからこそ、サイバーセキュリティが重要視されているのです。
企業を狙ったサイバー攻撃の目的
サイバー攻撃は一般的に、サーバーやコンピューターのシステムを攻撃し、データの破壊や改ざん、盗難を行うことを指します。
企業に保管されているデータが狙われているわけですが、その目的は攻撃者によって様々です。
ここでは、サイバー攻撃がどのような目的で行われるのか見ていきましょう。
金銭目的
サイバー攻撃の目的として、最も多いものは金銭目的によるものです。
企業から個人情報を盗むことができれば、それを売りさばくことで大金を得ることができます。
また、パソコンをロックしたり暗号化したりすることで人質にし、身代金を要求するという手口もあります。
経済的損失
企業に損失を与えることを目的として、サイバー攻撃が行われることもあります。
データやシステムを破壊してしまえば、復旧にかなりの費用がかかることになるのです。
最悪の場合、復旧すら困難というケースもあります。
さらに、ECサイトのような収益に関わるサイトをダウンさせ、機会損失を引き起こす手法も存在します。
ダウンしている間はサイトからの売上が0になるため、特にネットからの売上が多い企業では大ダメージとなります。
政治的目的
国家レベルのテロ行為を目的としたサイバー攻撃です。
国家機密だけでなく、企業が標的になるケースも多数確認されています。
また、アノニマスのように自らの思想を主張するためにサイバー攻撃が仕掛けられることもあります。
こちらは注目されることが目的なので、サイトが改ざんされるケースが多いようです。
愉快犯
世間を騒がせることだけを目的とした、愉快犯のようなサイバー攻撃も存在します。
自己満足のためだけに行われる犯罪ですが、社会に大きな影響を及ぼすことに変わりはありません。
また、「入手した攻撃方法を使ってみたい」という、好奇心によるサイバー攻撃というケースもあるようです。
サイバー攻撃から企業を守るには?
一言にサイバー攻撃と言っても、その手法は非常に多彩です。
不特定多数に感染させるウイルスから、特定の企業にターゲットを絞って攻撃を仕掛けるというものまであります。
特に、ターゲットを絞った攻撃手段は、市販のウイルス対策ソフトでは太刀打ちできないので油断することはできません。
では、どうすればサイバー攻撃から企業を守ることができるかというと、多層防御という考え方が今のところ有効です。
多層防御とは、「入口」「内部対策」「出口」という複数のセキュリティを活用して、総合的なセキュリティ力を高めるという方法です。
「入口」では、ファイヤーウォールやウイルス対策で、攻撃者の侵入を防ぎます。
「内部対策」では、侵入されたときに備えログ管理や重要なサーバーの隔離を行っておきます。
それでも、攻撃が防げない場合は、「出口」でデータを持ち出せないよう制御をかけたり、データを暗号化して分からなくしたりします。
このように、侵入されないことだけでなく侵入されたときのことも考えて、攻撃を最終的に阻止するという考え方がこれからのサイバーセキュリティには必要となります。
サイバー攻撃から企業を守るために
サイバー攻撃は非常に多様化しているため、ただのウイルス対策ソフトだけでは防ぐことが困難になってきています。
それでも大切な企業の資産を攻撃者から守るためには、常日頃からサイバーセキュリティ対策に気を配る必要があるのです。
分からないからと放置していると、サイバー攻撃の標的になる危険を高めるだけです。
ぜひこれからの時代に必要なサイバーセキュリティ対策にも、力を入れるようにしていってください。