100年~150年の間隔で、繰り返し発生している巨大地震が南海トラフ地震です。
太平洋沖にあるプレート境界を震源域としており、発生するたび日本に甚大な被害をもたらしています。
前回発生した南海トラフ地震は、1946年に発生した昭和地震です。
つまり、現在では発生から70年以上が経過しているということです。
南海トラフ地震は明日発生するかもしれない
つまり、後30年足らずで発生する周期に入るということです。
だからこそ、南海トラフ地震への備えが叫ばれているのです。
ここでは、そんな南海トラフ地震で予想される被害や、起こり得る時期などを検証してみたいと思います。
南海トラフとは?
南海トラフとは、紀伊半島の南の海底にある溝状の地形を形成する区域のことです。
紀伊半島沖から土佐湾を経て、日向灘沖まで延びています。
この溝は、ユーラシアプレートとフィリピン海プレートが接する場所に沿って発生しています。
南海トラフのプレート境界では、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に、1年当たり数センチの速度で沈みこんでいます。
この時、日本の陸側にあるユーラシアプレートも徐々に下に引っ張られひずみを生じます。
このひずみが限界を迎えると、プレートが上部に跳ね上がり巨大な地震が発生するのです。
南海トラフ地震はいつ起こる
プレートの沈み込むスピードがそれほど変わらないため、ひずみが限界を迎える周期もそこまで変わりません。
だからこそ、南海トラフ地震は100年~150年周期で発生しているのです。
だからといって、地震の発生する時期を正確に予測することは不可能ですね。
「30年以内に発生する確率が高い」くらいの、大まかな推測しかできないのが現状です。
ただ、その30年以内に70%~80%の確率で発生すると推測する専門家もいますので、予断は許されない状況と言えるでしょう。
南海トラフ地震で予想される被害
南海トラフ地震が発生すると、強いところで震度7。
そして、広い範囲で震度6強から6弱の強いゆれが発生すると予測されています。
加えて、10メートルを越える大津波も発生すると想定されています。
震源となる場所にもよりますが、静岡、三重、和歌山、高知といった太平洋に面する県では、最大限の警戒が必要になります。
南海トラフ地震で予測されえいる死者の数は、最大で33万人。
被害総額は220兆円にものぼります。
この被害を少しでも抑えるためには、日頃からの備えが確実に必要になるのです。
ただし、この被害予測は最悪のケースを想定したものになります。
揺れの大きさは実際に起こってみないと分からないため、想定どおりの被害が出るとは限りません。
だからといって、備えを疎かにしてもいいわけではないですね。
最悪の被害を想定して、もしもの時に備えるようにしてください。
南海トラフ地震に備えてできること
南海トラフ地震で最も警戒するべきことは、大津波による被害です。
10m以上の津波が押し寄せると予測されているため、逃げ遅れたらひとたまりもないでしょう。
津波から身を守るには、なるべく高いところへ避難するしかありません。
ハザードマップを確認して、自宅や職場から最も近い高台を確認しておきましょう。
高台と合わせて、避難経路も確認しておくことが大切です。
地震発生から津波の到着まで、それほど猶予はありません。
そのため、1秒でも早く逃げることが重要となります。
そのような状態で道に迷ってしまっては、助かる命も助からなくなります。
一刻も早く高台に到着するため、避難経路は暗記しておいてください。
それから、甚大な被害が予想される南海トラフ地震では、避難生活も長くなることが予想されます。
救援物資が届くのも遅れることが予想されますので、なるべく多くの備蓄品を準備しておいた方が安心でしょう。
余震のことも考えると、1週間から2週間避難することが必要とも言われています。
救援物資が来るまでしのげるよう、持ち出し品を厳選して準備するようにしてください。
南海トラフ地震で大きな被害に遭わないために
「南海トラフ地震の危機が迫っている」なんていわれても、なかなかピンとこないかと思います。
しかし、災害は突然発生するものです。ピンとこないからと言って備えを疎かにすれば、いざという時どうすることもできなくなってしまいます。
災害発生時は、自分の身は自分で守るしかありません。
少しでも生存率を高められるよう、日頃からの備えを実施するようにしてください。