「噴火による自然災害」と言われても、あまり身近に感じる人は少ないかもしれません。

しかし、日本には現在111の活火山があり、世界でも有数の火山大国となっています。

狭い国土に火山が集中しているので、噴火の被害に合う可能性は外国に比べるとかなり高いといえます。

噴火被害1

 

噴火に対する対策

噴火による被害も、大規模なものから局所的なものまで様々です。

火山からの距離によって、噴火による影響も異なるでしょう。

ここでは、噴火によって引き起こされる様々な災害をまとめてみました。

 

降灰

噴火で噴出した固形物のうち、直径が2ミリ以下の物を火山灰といいます。

小さなものほど風によって広がり、各地に降り注ぎます。

降灰

小さな火山灰になると、火口から10キロ以上も流されることもあります。

火山が近くに無いからといって、油断することができない被害が降灰なのです。

 

火山灰は、直接命を奪うような危険性の高い災害ではありません。

しかし、全く被害がないわけではないので、油断は禁物といえるでしょう。

 

まず、空気中を浮遊する火山灰は、通常時より視界を悪くしてしまいます。

あまりにひどい状態になると、車や飛行機の運航に支障が生じてしまいます。

特に飛行機は高速で飛んでいるため、窓ガラスを傷つけたり、エンジンが故障したりする原因となるおそれがあるのです。

 

それから、火山灰が目に入ったり直接吸い込んだりすると、健康被害を引き起こすおそれがあります。

細かな粒子を吸い込み続けると、鼻やのどの炎症を引き起こす可能性があります。

また、火山灰はガラスに似た成分なので、目に傷をつけてしまうおそれもあるのです。

 

噴石

爆発的な噴火が発生すれば、巨大な岩石も同時に吹き飛ばされます。

特に直径50センチ以上の岩石は、風の影響を受けず短時間で落下してきます。

噴石

そんな大きな岩が人に直撃したら、ほぼ助からないでしょう。

さらに噴石は、家の屋根を突き破るといった被害を出すおそれもあります。

 

ただし、風の影響を受けないので、火口から最大でも4キロ程度しか飛ぶことはありません。

なので、火口を中心とした比較的狭い範囲に被害が集中するでしょう。

もし、火口から4キロ以内に住んでいるなら、噴火警報等を活用して早めに避難するしか身を守る方法はありません。

 

溶岩流

溶岩流とは、火山の噴火により地下のマグマが液体の溶岩として地表に噴出し、山の斜面を流下していく現象です。

流下速度が緩やかなため、人が直接巻き込まれることはほとんどありません。

ただ、流れた先に家などがあれば、燃やされてしまうおそれがあります。

溶岩流

溶岩流が発生するには、マグマの粘度が低く噴出量が多いという条件が必要です。

日本の火山では、三宅島や新燃岳で溶岩流が発生しています。

ハワイの観光地として有名なキラウエア火山の溶岩も、この溶岩流にあたります。

 

火砕流

高温の火山灰や岩石、水蒸気などが、一気に山の斜面を流下する現象です。

空高くまで上がった噴煙や、溶岩ドームが崩壊することにより発生します。

火砕流

溶岩流と名前が似ていますが、破壊力は圧倒的に火砕流の方が上で、とんでもない被害をもたらすおそれもある最も恐ろしい火山現象です。

 

火砕流が発生すると、数百度にも達した火山灰や溶岩が、時速100キロを超えるスピードで押し寄せます。

通過する場所にあるものをすべて焼き尽くし、破壊していくのです。

 

当然、人間が火砕流に巻き込まれるとひとたまりもありません。

建物に避難しても、それごとなぎ倒されて焼かれる可能性が高いです。

火砕流から身を守るには、事前に遠くに避難するしか手がありません。

 

融雪型火山泥流

積雪している火山で噴火が発生すると、熱によって斜面の雪が溶かされ大量に水が発生します。

この水が、斜面の土砂や岩石を巻き込みながら、高速で流下する現象が融雪型火山泥流です。

水を多く含むため土石流のような形になり、谷や沢を伝ってかなり広範囲に被害を及ぼします。

融雪型火山泥流

積雪を伴わない場合も、豪雨により引き起こされる場合や、火口の湖が決壊することで発生する場合もあります。

このタイプは、単に火山泥流と呼びます。

積雪がなくても発生する可能性があるので、油断は禁物ということです。

 

山体崩壊

山体崩壊とは、噴火の衝撃により火山そのものが崩壊してしまう現象です。

噴火以外でも、地震の衝撃により発生することもあります。

山体崩壊

そもそも火山は、地質がそれほど強くはありません。

そのため、噴火のような強い衝撃が引金となり、山の一部が崩壊することは十分ありえることなのです。

 

山体崩壊が発生すると、崩壊した土砂や岩石が斜面をなだれのように流下していきます。

その量は桁違いに多いので、非常に広範囲に被害を及ぼす危険があります。

 

津波

火山の噴火は、場合によっては津波を引き起こす可能性もあります。

一番分かりやすいのは、海底火山の噴火ですね。

噴火の衝撃が波を作り、それが津波として陸地へ押し寄せます。

津波

さらに、山体崩壊で発生した土砂が海に流出し、巨大な波を発生させる場合もあります。

この波が対岸に津波として押し寄せ、被害を拡大させるのです。

日本でも、長崎の雲仙岳や北海道の駒ヶ岳の噴火で、このタイプの津波が発生しています。

 

噴火の被害は大きいので気を付けよう

火山の噴火による災害は、それほど多く観測されるものではありません。

しかし、一度発生すると、大規模な被害を広範囲に及ぼす危険がある恐ろしいものです。

 

しかも、人間にできることは避難することくらいです。

もしもの時に迅速に避難ができるよう、常日頃から備えるようにしてくださいね。