地震による大きな揺れは、直接建物に被害を及ぼすだけでなく様々な災害を同時に引き起こしてしまいます。

東日本大震災のときも、巨大な津波が地震により発生し多大な被害をもたらしました。

津波

さらに、津波は原子力発電所の事故を引き起こし、被害がどんどん拡大してしまったのです。

このように、同時にいくつもの災害が発生することを複合災害といいます。

 

地震は災害を複合する

地震によって考えられる複合災害は、津波だけではありません。

地震

強い揺れは、様々な被害を引き起こす危険性があります。

ここでは、地震によって引き起こされる可能性のある被害をまとめてみました。

 

液状化現象

液状化現象とは、地震の振動により砂の地盤が緩くなり液体状になる現象です。

地盤が急激に弱くなるため、その上に立っている建物が倒れたり埋もれたりします。

また、緩くなった砂の粒子が沈み込むことで、道路などの陥没を引き起こすこともあります。

液状化現象

液状化現象は、緩く堆積した砂の地盤で、地下水の水位が高い箇所で発生しやすくなります。

具体的には、埋立地、干拓地、昔の川を埋めた土地、砂州の間の低地などが考えられます。

 

海沿いで起こりやすいイメージがあるかもしれませんが、これは埋立地による影響でしょう。

条件さえ満たせば、内陸でも発生するので注意が必要です。

 

津波

地震による津波は、海底の地形が変化することにより発生します。

地震により断層がずれることで、海底が隆起もしくは沈降します。

津波

これに伴い、海面も隆起もしくは沈降します。

そして、この変化が大きな波となり360度に伝播することで、津波が発生するのです。

 

津波が進むスピードは、水深が深いほど早いという性質があります。

つまり、沖合いほど早く波が進むということですね。

水深5000メートルの沖合いでは、時速800キロものスピードで波が伝わります。

 

一方、水深10m程度の沿岸では、波が伝わるスピードが時速40キロ程度まで減速します。

だから、陸地に近づくにつれ波が合わさっていき、とんでもない高さにまで成長するのです。

 

「津波の前には潮が引く」ということも言われていますが、実は必ずしもそうとは言い切れません。

海底で起こった地形変化の向きや傾き次第では、潮が引くことなく津波が押し寄せることもあります。

 

潮が引かないからといって、安心はできないということです。

沿岸部で揺れを感じたら、速やかに高台まで避難するようにしてください。

 

岩屑なだれ

岩屑なだれとは、山にある岩石や土砂がなだれのように斜面を流下する現象です。

大量の土砂と空気が混ざることで、液体のような速度で流下するおそれもある非常に危険な現象です。

岩屑雪崩

似たような現象に土石流がありますが、こちらは土砂が水と混ざって流下する現象です。

主に、大雨が原因で発生する災害になります。

 

岩屑なだれが発生するには、山が崩壊するような大規模な崩壊が必要な条件となります。

そのため、地震の揺れで崩れてしまうような、弱い地質の山で発生しやすいです。

火山が代表的な例ですね。

 

頻繁に起こる災害ではありませんが、山一つが崩壊するので、とんでもない被害をもたらします。

特に日本は、火山が多いので警戒が必要です。

 

がけ崩れ

地震によるがけ崩れは、揺れにより斜面が崩壊することにより起こります。

突発的に発生し、一瞬で家を飲み込んでしまうので、逃げ遅れてしまうことも多い災害です。

また、崩れた土砂の規模によっては広範囲に被害を及ぼすこともあります。

崖崩れ

特に、雨が降った直後など、地盤が緩んでいる直後に地震が発生すると起こりやすいです。

また、30度以上の急勾配の斜面でも起こりやすくなります。

 

地震だけでなく、大雨の影響でもがけ崩れは発生します。

斜面に面した家に住んでいる場合は、常に危険と隣りあわせなので、防災対策をしっかりと実施するようにしてください。

 

地震火災

地震による二次災害として、最も代表的なものが地震火災です。

過去に発生した震災でも、地震火災は必ずと言っていいほど発生してしまっています。

 

特に、阪神淡路大震災では非常に大規模な地震火災が発生しました。

実に7000棟を超える住宅が消失し、10万人以上の犠牲者を出しているのです。

 

地震火災は、ガスコンロや石油ストーブなどと可燃物が接触することにより引き起こされます。

特に石油ストーブが倒れると、灯油に引火するおそれもあるので非常に危険です。

 

ただ、最近では揺れを感知して電源が切れる暖房器具も多いので、直接的な火災は少なくなってきています。

地震火災

それよりも怖いのが、停電が復旧した際に発生する「通電火災」です。

通電火災とは、停電により電源が切れていた電化製品が、電力が復旧することにより稼動することで起きる火災です。

 

特に倒れた電機ストーブなどは、電源が入ると一瞬で火事を引き起こすでしょう。

また、傷ついたコードが原因で出火することも多いです。

 

停電時は、全ての電化製品の電源が落ちるため、電源が切れていると思い込んでしまいます。

しかし、通電していない以上、電源が切れているか確認することは困難です。

だからこそ、避難する際は、必ずブレーカーを落とすことが必要なのです。

 

地震で怖いのは津波だけではありません

地震による被害で怖いのは、揺れによる直接的な被害だけではありません。

むしろ、揺れによって引き起こされる災害の方が、大きな被害を残すことが多いのです。

 

住んでいる地域によって、警戒すべき災害は様々です。

まずはハザードマップを確認して、あなたの住んでいる場所の危険を把握することから始めてください。