風によって引き起こされる災害を「風害」といいます。
台風がもたらす暴風はもちろん、爆弾低気圧による強風や竜巻など、強風による被害は意外とたくさん発生しています。
強風は、低気圧の発達により吹くことがほとんどです。
そのため、大雨も同時に発生することが非常に多いです。
風害は侮っていたら危険
「たかが風」と侮ってはいけません。
暴風レベルの強風は、死者を出すほどの災害を引き起こしかねません。
だからといって、強風も自然災害なので人間の力で抑えることは不可能です。
そこで、被害を最小限に抑えるため、風に対しても防災を徹底する必要があります。
強風による被害
強風による被害として一番初めに思いつくのが、風により飛ばされた様々な飛来物による被害です。
看板や屋根の瓦など、屋外には飛ばされやすいものがたくさんあります。
瓦のような硬いものが人に直撃すれば、命を落とすおそれもあります。
また、窓ガラスにあたれば、確実に破損してしまうことでしょう。
それから強風は、人に直接被害をもたらすこともあります。
一般的に、風速が20メートルを超えてくると、普通に立っているのが困難になると言われています。
ここまで風が強まると、風にあおられただけで転倒する危険があるのです。
さらに、風速が50メートルを超えると、木造の家屋は倒壊するおそれまで出てきます。
ここまで強い風が吹き続けることはほとんどありませんが、警戒しておくに越したことはないでしょう。
このような被害を避けるため、強風時は外出を控えなくてはなりません。
強風は、台風の接近など予測できる場合がほとんどなので、外出しなくていいよう準備しておくことが大切です。
それから、自分が加害者にならないよう注意する必要もあります。
外やベランダに置いてあるものが飛ばされ通行人に当たりでもしたら、管理責任を問われる場合もあります。
むやみに他人を危険にさらさないためにも、飛ばされる可能性のあるものは屋内に移動しておくことが必要です。
竜巻が発生する兆候
竜巻は、発達した積乱雲が発生させる強い上昇気流により発生します。
日本ではあまり馴染みのない災害のようですが、実は年間に25個程度の竜巻が発生しています。
雷鳴を伴った、巨大で真っ黒な積乱雲が発生したら、竜巻も同時に発生するおそれがあります。
巨大な積乱雲が迫ってきたら、気温が急激に下がり「ひょう」が振ることもあるので覚えておくといいでしょう。
竜巻による強風は非常に強烈で、大きさによってはトラックをひっくり返すほどの威力を持っています。
被害は局所的ですが、移動スピードが早い場合は広範囲に被害をもたらすので油断できません。
竜巻の被害から身を守るには、頑丈な建物の中に避難することが最も効果的です。
ただ、激しい風で窓ガラスが割れることもあるので、窓に近づいてはいけません。
机の下などに隠れ、飛来物からなるべく身を守る体勢をとってください。
高波、波浪にも注意が必要
強風は、海上で大きな波を発生させます。
台風の中心部では、10メートルを超える波になることもあるほどです。
この波は、台風が遠くの海上にある段階でも、日本の沿岸に押し寄せてきます。
そのため、台風が遠いからと言って、沿岸部では安心できません。
高波で最も怖いのは、波にさらわれることです。高波にさらわれてしまうと、ほぼ助かる見込みはありません。
波浪警報や波浪注意報が出ているときは、むやみに海岸に近づかないようにしてください。
実は、高潮も強風が原因
発達した低気圧や台風による強風は、高波だけでなく高潮を発生させることもあります。
高潮とは、海水面が異常に上昇する現象です。
台風のように気圧が低い状態では、海面が吸い上げられて潮位は上昇します。
さらに強い風で、海岸に海水が吹き寄せられることで、さらに海水面が上昇するのです。
急激に潮位が上昇するため、海沿いの家屋を浸水させる被害をもたらします。
海水が一気に流れ込んでくるため、逃げるまもなく浸水する可能性もあるのです。
素早く避難所に避難するに越したことはありませんが、水深次第では移動すること事態が危険になります。
大体50センチ以上の水深になると歩くことが難しくなるので、逃げ送れた場合は2階などなるべく高い位置に避難するようにしてください。
高潮の発生する可能性がある地域では、高潮用のハザードマップも準備されています。
自宅が高潮の影響をどれくらい受けるのか、事前に確認しておくといいでしょう。
合わせて避難場所と避難経路も確認しておけば、いざという時安全に避難できます。
強雨などの風害に注意!
強風は雨とセットで人々を襲うことが多いため、被害が拡大しがちです。
強風だけなら外に出なければ比較的安全なのですが、大雨の影響により避難が必要な場合もありますからね。
そんな時に活躍するのが、日頃からの備えですね。
もしもの時に家族の安全を守れるよう、防災対策を徹底するようにしてください。