近年の防災意識の高まりにより、防災担当者を任命する企業も増えてきていると思います。

でも、いきなり担当者にされてもどうすればいいか分からない人もいるでしょう。

 

普通に生活していれば、防災に詳しくなることなんかほとんどありませんからね。

ただ、これでは担当者と言っても名前ばかりのものになってしまいます。

そこで、オススメなのが防災士という資格です。

この資格を取得すれば、防災に対する知識や技術を修得することができます。

きっと、企業の防災対策にも役立つことと思いますよ。

 

防災士とは?

防災士は、NPO法人日本防災士機構が定める民間資格です。

防災に関する一定以上の知識・技能と、十分な意識を修得している人を認証しています。

自然災害の多い日本では、日常から防災対策を実施しなければなりません。

そこで、災害に対して正しい知識を持ち、適切な判断を実施できる人を育成することを目的に防災士の制度はスタートしました。

2019年現在では、16万人以上の防災士が認定され、防災活動のリーダーとして活動しています。

 

防災士になってできること

防災士は民間資格なので、国家資格のように特定の権利を得られるわけではありません。

また、特別な職に就けるというわけでもありません。

ではどんなメリットがあるかと言うと、防災に対する正しい知識を企業内に広めることができます。

企業内で防災士を育成することで、より精度の高い防災マニュアルを作ることが可能になります。

 

避難経路や備蓄品を、より安全性の高いものにすることもできるでしょう。

企業で防災士を育てることは、職場を守ることにも繋がっていくのです。

 

それから、防災士を企業で育成することは、地域社会への貢献という面でも注目されています。

災害発生時は、企業も近隣住民の方と協力して救助などを行う必要もあるでしょう。

そんな時、防災士は的確な判断をすることができます。

防災士を育成しているという事実は、防災に力を入れる企業としてのアピールポイントになることは間違いないのです。

 

防災士の資格取得に必要な研修と試験

STEP1:防災士養成研修講座

防災士になるには、まず防災士養成研修講座を受講する必要があります。

この講座は、日本防災士機構が認証した研修機関が実施するもので、60分以上の講座を12講座受講しなければなりません。

研修の内容は、大きく分けると以下のようになります。

・自分の命を自分で守る方法
・地域で協力してできる防災対策
・災害発生のメカニズム
・災害に関わる情報の扱い方
・新しい減災や危機管理の手法
・応急手当の実施方法

 

最も受講者の多い防災士研修センターの場合、2日間に分けて全ての講座を実施することになります。

また、研修の3~4週間前に教材が送付されるので、事前課題に取り組まなくてはなりません。

 

STEP2:防災士資格取得試験

通常の資格取得試験は、研修終了後にすぐに行われます。

防災士研修センターで研修を受講する場合は、2日目の最後ですね。

 

試験問題は全て3択問題で、全30問出題されます。

試験時間は50分で、7割以上の問題に正解できれば見事合格となります。

基本的には防災士教本のポイントから出題され、引っ掛け問題も無いのでそれほど難しいものではありません。

万が一試験に不合格となった場合でも、再受験することが可能です。

試験日の10日前までに、防災士研修センターの担当窓口に連絡しましょう。

 

STEP3:救急救命講習

防災士の資格を取得するには、防災士養成研修講座の他に救急救命講習を受講し、応急手当などの技術を修得しなければなりません。

 

受講する講習は、消防署や日本赤十字社など公的機関やそれに準ずる団体の主催したものならOKです。

不安なら、地域消防署が主催する「普通救命講習Ⅰ」が最も手っ取り早いかと思います。

登録申請の際に、修了証または認定証を提出する必要があるため、忘れずにもらうようにしてください。

 

STEP4:防災士認証登録申請

以上3項目を全て修了することができれば、日本防災士機構へ防災士認証登録申請を行います。

きちんと3項目全て修了していることが確認できれば、晴れて防災士として認定してもらえます。

 

防災士に認定されれば、「防災士認証状」「防災士証(カード)」が交付されます。

有効期限や更新は一切ないので、一度修得すれば死ぬまで防災士として活動できます。

 

防災士になるためにかかる費用

防災士研修センターで防災士研修講座を受ける場合、受講料として53,000円が必要になります。

その他、受験料3,000円と資格認証料5,000円が別途必要です。つまり、合計で61,000円が必要ということですね。

ちなみに、試験に不合格となった場合でも、再受験料は必要ありません。

 

個人で負担するにはそれなりに大きい金額ですが、企業で1人研修に出すと考えれば、それほど大きな負担ではないかと思います。

地域によっては資格取得にかかる費用について、助成金を支給しているところもあります。

このような制度を有効活用すれば、負担を最小限に抑えて防災対策を推進することができるでしょう。

 

防災士資格を取得するために

防災士の資格を持つ従業員がいれば、企業での防災対策も確実なものになることでしょう。

地域貢献にもつながりますので、担当者の方を研修に出してみるのもいいかもしれませんね。

防災対策は、今後企業の大きな課題となってきますので、一度検討してみてはいかがでしょうか。