大規模な災害が発生すると、住む場所を失ってしまう人も大勢出てしまいます。
そのような方々にとって最優先事項となるのは、生活空間の確保です。
避難所生活はプライバシーがなくストレスがたまりやすいので、いち早く生活空間を確保する必要があるのです。
災害時、仮設住宅に入居するための基礎知識
ただ、自己資金では新しい住宅を確保できない方もいるでしょう。
そのような方々のために、国や自治体が提供するのが仮設住宅です。
ここでは、災害時に提供される仮設住宅について詳しく紹介していこうと思います。
・仮設住宅に入居できる条件
災害で家を失った方のために設置される仮設住宅ですが、誰でも入居できるというわけではありません。
条件は災害によって多少異なりますが、住居が全壊し居住する住居がない方でなければ、原則として入居することはできません。
また、自らの資金で住居を確保できないという条件もあります。
さらに、災害が発生した時点で、被害のあった自治体に住所があることも重要です。
この縛りがなければ、災害とは無関係な人が仮説住居に入ってしまうおそれがあるのです。
仮設住宅の種類
仮設住宅には、2つの種類に分けることができます。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
応急建設住宅
応急建設住宅は、被災地の近くに建てられるプレハブのような仮設住宅です。
仮設住宅と言うと、こちらのタイプを想像する方が多いかと思います。
応急建設住宅には、6坪、9坪、12坪の3つのタイプがあり、家族構成に応じて割り当てられます。
応急建設住宅の場合、被災地近くに建設されるのでライフスタイルを変える必要があまりないというメリットがあります。
また、1箇所に被災者が居住することになるので、生活支援も効率よく行えます。
一方、建設コストや維持管理のコスト、撤去のコストなどがかなり高額というデメリットもあります。
また、建設に時間がかかるため、入居できるまでは少し時間がかかります。
みなし仮設住宅
みなし仮設住宅は、既存の賃貸物件や公営住宅、空き家などを自治体が借り上げて被災者に提供するタイプの仮設住宅です。
簡単に言うと、賃貸物件の家賃や共益費、管理費、保険料などを、自治体が負担してくれるというイメージです。
ただし、各自治体により家賃には上限が設けられます。
みなし仮設住宅の場合、既存の住宅を使うので早期に住み替えができるというメリットがあります。
また、基本的に普通の住宅なので、応急建設住宅よりも快適に暮らせます。
しかし、建築物は同時に被災しているため、被災地の近くでは見つからないというデメリットがあります。
また、まとまった数を確保できるかは全く分かりません。
ある程度遠くに引っ越してもいいという方向けの、仮設住宅といえるかもしれません。
仮設住宅に住める期間
仮設住宅に住んでいられる期間は、基本的には2年間と規定されています。
つまり、2年以内には自力で次の住宅を探す必要があるということです。
ただし、特に被害の大きな災害であった場合は、1年を超えない範囲で期間が延長されることもあります。
実際、東日本大震災で特に被害の大きかった地域では、例外的に平成32年3月末まで供与期間が延長されています。
仮設住宅に住む際の家賃は?
仮設住宅に住む場合、応急建設住宅とみなし仮設住宅どちらのタイプを選んだとしても、原則として家賃は必要ありません。
ただし、みなし仮設住宅の場合は、家賃の上限が決められているので注意が必要ですね。
それから、水道光熱費や駐車場代に関しては有料である場合がほとんどです。
必要なもの全てが無料というわけではないので、使いすぎないよう注意してください。
仮設住宅を利用するには?
大きな災害にあってしまい仮設住宅を利用したいという場合は、自治体の窓口に申し込む必要があります。
何もしていなくても避難所から移れるというわけではないので、きちんと手続きをするようにしてください。
仮設住宅へ入居を希望する場合、申し込みには以下の書類が必要です。
・申込書
・罹災証明書
・本人確認書類
他にも、自力で探した住居をみなし仮設住宅として利用するには、賃貸借契約書の写しや不動産仲介会社に関する書類も必要です。
申し込みが完了した後は、入居資格審査が行われます。
これは、仮設住宅に入居できる条件を満たしているか確認する作業ですね。
自宅が全壊または大規模半壊という条件を満たしていれば、審査に落ちるということは心配しなくて大丈夫でしょう。
災害にあったら仮設住宅を活用してください
災害で住むところが無くなってしまった場合、仮設住宅は生活の基盤を手に入れる重要な役割を果たしてくれます。
避難所生活が長引くと、ストレスもたまるので体調を崩す可能性も高くなります。
家族で住むところさえ確保できれば、少しは安心できますからね。
お世話にならないことが一番いいのですが、もしもの時は有効活用してください。