大きな災害が発生した状況では、心配停止状態に陥ることも考えられます。

重い家具の下敷きになったり、洪水で溺れてしまったりすれば、命の危険もあるのです。

 

心肺蘇生の方法を学んで生存率を上げよう

心配停止状態になってしまった人の命は、近くにいる人でなければ救えません。

 

なぜなら、心臓が止まってしまった場合、1分おきに助かる確率が7~10%も下がっていくからです。

つまり、5分経過すると生存率は50%にまで下がるということですね。

心配蘇生

救急車が到着するには、平常時でも平均で7~8分程度かかります。

災害発生時なら、もっとかかるでしょう。だからこそ、心肺蘇生をただちに実施することが非常に重要なのです。

 

心肺蘇生の手順

心肺蘇生の手順は、避難訓練などでも教わったことがあるでしょう。

しかし、ほとんどの人が詳細には覚えていないと思います。

そこでここからは、心肺蘇生の手順を詳しく解説していきます。

 

1.意識を確認する

倒れている人を発見したら、まずは意識があるかどうか確認します。

両肩をたたきながら大きな声で呼びかけてください。

心配蘇生2

呼びかけても何の反応もなければ、「反応なし」と判断して次の行動に移りましょう。

倒れた直後ならけいれんする動きがあるかもしれませんが、これも「反応なし」と判断してください。

 

もし反応があれば、今置かれている状況を聞きだします。

そして、必要な応急手当をするようにしてください。

 

2.助けを呼ぶ

心肺蘇生を一人で行うのは心もとないですね。

できることなら、協力者が欲しいところです。

そこで、まずは大きな声で助けを求めましょう。

心配蘇生3

協力者が集まってきたら、それぞれに指示を出します。

119番通報する人やAEDを捜してくる人など、役割分担をして素早く心肺蘇生に移れるようにしてください。

 

指示を出すときのポイントは、「あなた」という感じで指名して、誰に指示しているのか明確にすることです。

ただ「119番して下さい」では、誰に指示しているのか分からずなかなか動けないものです。

そこで誰に指示しているのか明確にすることで、圧倒的に動きやすくなります。

 

もし協力者がいない状況なら、心肺蘇生より119番通報を優先してください。

 

3.呼吸の有無をチェック

協力者を集め終わったら、次に呼吸の有無を確認します。

 

まずは、頭を後ろにのけぞらせて顎を上げ、気道を確保します。

気道を確保した上で、「息を感じることができるか」「胸やお腹が上下しているか」「息の音が聞こえるか」といったことをチェックします。

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しゃくりあげるような呼吸は、心肺停止直後に見られる呼吸です。

このような呼吸が確認できた場合も、心臓は停止している可能性が高いと判断してください。

 

それから、呼吸の確認にそれほど時間をかけるわけにはいきません。

10秒程度を目安に、素早い判断を心がけてください。

明らかに呼吸ができていると判断できない場合は、ただちに次の心臓マッサージに移るようにします。

 

4.胸骨圧迫を行う

胸骨圧迫は、昔で言う心臓マッサージですね。

胸の真ん中の位置を、両手の付け根で強く、素早く圧迫していきます。

心配蘇生5

心臓マッサージは、肘をまっすぐ伸ばし、胸が5センチ沈むように垂直に力を入れて圧迫します。

圧迫と圧迫の間は、胸がしっかり戻るように力を抜くことも大切です。力が入れっぱなしにならないよう、十分注意してください。

 

テンポは、1分間に100~120回程度がベストです。

30回を1セットとし、その後は人工呼吸に移ってください。

 

5.人工呼吸を行う

胸部圧迫が30回終わったら、気道を確保して人工呼吸を2回行います。

鼻から息が漏れないよう、額を押さえる手で鼻をつまみ、口を完全にふさいで息を吹き込みます。

なるべく息が通りやすくするよう、口を大きく開けるといいでしょう。

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息は、胸が持ち上がるのが確認できるまで吹き込みます。

1秒程度で胸が持ち上がるよう、ゆっくり吹き込むのがベストです。

上手くできなかった場合も、2回を限度に胸部圧迫に戻ってください。

 

6.胸部圧迫と人工呼吸を絶え間なく

心肺蘇生は、胸部圧迫30回と人工呼吸2回を1セットとし、休みなく行う必要があります。

救急隊が到着するまで、がんばって続けてください。

 

とは言え、胸部圧迫は力がいるため、どうしても疲れてしまいます。

疲れてくると、気づかないうちに力が弱くなるおそれもあるので、できることなら交代した方がいいでしょう。

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胸部圧迫は、2分もすれば疲れを感じてきます。そのため、1~2分を目安に交代するようにすると最も効率がよいでしょう。

交代する際は、中断しないよう素早くすることも大切です。

 

AEDの使い方

AEDが近くにある場合は、合わせて利用すればより生存率を高めることができます。

心肺蘇生の手順に取り入れて、生存率を高めるために活用してください。

ここからは、AEDの使い方を説明します。

 

電極パッドの取り付け

AEDを利用するには、電極パッドを身体に直接取り付ける必要があります。

AEDの電源を入れたら、傷病者の衣服を脱がして電極パッドを取り付けてください。

電極パッド

取り付ける位置は、胸の右上と左わき腹のあたりです。

パッドに取り付ける位置がイラストで記載されていますので、その通りに貼り付ければ大丈夫です。

貼り付ける際は、肌にきちんと密着するように取り付けます。肌に隙間があると、正常に電気ショックを与えられない可能性があります。

 

ちなみに、電気パッドを取り付けているときも、できるだけ心臓マッサージは続けるようにしてください。

 

心電図を解析

電極パッドを取り付けると、AEDは自動で心臓の状態を解析しはじめます。

「体に触れないでください」などというメッセージも出るので、このときだけは心臓マッサージを停止してください。

解析が終わると、電気ショックが必要か不要か表示されます。

 

電気ショックの実施

電気ショックが必要と判断されれば、AEDは自動的に充電を開始します。

その間に周囲の人へ電気ショックを行うことを伝え、離れるようにしてもらってください。

この間も、胸部圧迫だけは継続するようにします。

 

充電が完了すると、警告音が鳴りボタンが点滅します。

同時に「電気ショックを行ってください」というメッセージも流れるので、誰も傷病者に触れていないことを確認して電気ショックを実施して下さい。

 

電気ショック実施後は、ただちに心肺蘇生を再開します。

その間も、電極パッドはつけておくようにしてください。

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AEDは、2分おきに心臓の状態を解析します。

そして、その都度電気ショックの必要性を知らせてくるので、音声案内に従うようにしてください。

 

心肺蘇生は諦めたらずに続けることが重要

心肺蘇生は、救急隊が到着するまで諦めずに続けることも大切です。

そして、救急隊が到着したら、実施した応急手当や、AEDによる電気ショックの回数を伝えるようにします。

また、心肺蘇生中に息を吹き返したとしても、救急隊が着くまでは念のためAEDを付けたままにしておいてください。

aed2

正しい心肺蘇生を実施できれば、身近な人が心肺停止状態に陥っても助けられる可能性を大幅に高めることができます。

あなたの大切な人を守るためにも、ぜひ正しく覚えるようにしてください。