人の生活に雨は欠かせませんが、降りすぎると自然災害に発展してしまいます。
特に近年は集中豪雨など雨による災害が増えており、毎年のように洪水や土砂災害が発生している状況です。
豪雨による被害は、地震よりも身近なものとして全ての人が備える必要があります。
豪雨の際、気をつけなければいけない土石流
豪雨で最も恐ろしいのは土砂災害です。
土砂災害はひとたび発生すると、とんでもない速度で家すら破壊してしまいます。
そのスピードは時速40kmに上ることもあり、人が走っても逃げ切れるものではありません。
そんな土砂災害の被害に遭いながらも、一命を取り留めた方々もいます。
そんな方々には、生き残るためのいくつかの共通点がありました。
ここでは、土砂災害の生存者の方々の行動から、生き残る方法を考えていきたいと思います。
土砂災害の前兆現象
土砂災害が発生する前には、前兆現象があると言われています。
平成26年に発生した広島の土砂災害でも、「土が腐ったようなにおいがした」「岩が転がってくるような音が聞こえた」などという、前兆現象を体験した生存者の方がいらっしゃいます。
前兆現象を察知していち早く避難することで、一命を取り留めた方もいらっしゃいます。
と言うことは、前兆現象を知りいち早く避難することが、土砂災害から命を守るために大切ということです。
土砂災害の前兆現象としては、以下のようなことが考えられます。
いつもと違う音や山鳴り
山の上部で土石流などが発生している場合、木をなぎ倒す音や岩が転がる音が聞こえることがあります。
すぐに土石流が家まで押し寄せるかもしれない危険な状態なので、ただちに高いところに避難する必要があります。
また、斜面がずれることにより山鳴りや地鳴りがすることもあります。
いつもと違う異臭
山の上部で土砂崩れなどが発生していると、土が掘り返されて土や木のにおいがすることがあります。
土地により臭いは異なるでしょうが、いつもと違う異様な臭いには注意が必要です。
また、大きな岩の摩擦により、物が焼けるような臭いが発生することもあります。
小川の水位が減少している
小川の上流部で土砂が崩れ、天然のダムを形成したときに見られる現象です。
天然のダムが決壊すると下流に土石流が発生するので、非常に危険な状態と言えるでしょう。
小川が急に濁る
山の上部の土砂崩れなどが原因で、川に土砂が流れ込んだ状態です。
木を巻き込んでいる場合は、流木が急激に増えることもあります。
斜面に亀裂や落石が見られる
斜面の弱い部分が崩壊する際の前兆です。
がけ崩れが発生する危険が高いので、ただちに避難する必要があります。
湧き水の量が変化する
地盤の内部で、地下水の流れが変わっているおそれがあります。
場合によっては地下に空洞ができ、土砂災害を引き起こすおそれのある危険な状態です。
沸き水の量が変化する他に、湧き水が急に濁る、普段水が流れない場所から水が吹き出すといった現象が見られることもあります。
ここで紹介したのは、前兆現象の一例です。
他にも様々な前兆現象が起きる可能性があるので、雨が続きいつもと違うと感じることがあればすぐに避難するようにしてください。
前兆現象を感じたら1階から避難する
土石流のような土砂災害は、2階に達するような高さで襲ってくることはほとんどありません。
広島の土石流においても、最大で高さ3メートルほどであったようです。
と言うことは、2階以上に避難すれば命が助かる可能性が高いということです。
広島の土砂災害でも、家屋の1階が土石流で崩壊したにもかかわらず、2階にいたため命が助かったという方がたくさんいらっしゃいます。
土砂災害はとんでもないスピードで迫ってくるので、気がついたときには手遅れであることも多いです。
そんな時でも咄嗟に2階以上に逃げ込めば、命が助かる可能性があります。
むしろ外の出るのは非常に危険な状態のため、土砂災害の危険がある場合はなるべく高いところに避難してください。
それから、夜寝ているときのように、咄嗟に2階に避難することが難しいケースも考えられます。
あまりにひどい雨が続くようなら1階で寝ることは避け、危険を未然に回避する必要があります。
土砂災害から身を守る方法 まとめ
土砂災害は非常にスピードが早いため、危険が迫ってから避難所に避難することはほぼ不可能です。
むしろ外に出れば、土石流などに飲み込まれるリスクを高めてしまいます。
そこで重要となるのが、高いところに避難するという考え方です。
土砂は高いところに達することはないため、2階以上に避難できれば助かる可能性が一気に高まります。
このような避難方法も覚えておき、万が一災害にあった際は適切な行動が取れるようにしておいてください。