地震や豪雨など、大きな災害にあってしまうと経済面でも大きな損失を生んでしまいます。

そのような状態では、税金を納めるのも難しくなりますよね。

 

災害にあったら税金ってどうなるのか解説します

そこで、被災者を経済的に支援するという面も考えて、被災者には税制上の特例が設けられています。

その制度が、「災害減免法」と「雑損控除」です。

ここでは、万が一被災したときに活用できる、税金の免除制度について紹介していきましょう。

 

災害減免法とは?

災害減免法は、被災者の所得税を免除または軽減するといった制度です。

日本人の平均年収である420万円の場合を例にすると、所得税として20%が徴収されています。

つまり、84万円も税金を払っているということです。

 

被災してお金が必要なときに、こんなに税金を払っていたら生活できませんよね。

そこでこの税金を免除して、生活の再建に役立ててもらおうという法律です。

 

災害減免法の適用となる方

災害減免法は、全ての被災者に適用されるわけではありません。

災害減免法を適用されるには、以下の条件を全て満たす必要があります。

 

・災害により受けた被害金額が、保険などで補填される金額を除いて時価の2分の1以上

・所得金額が1000万円以下

・雑損控除を受けていない

 

所得金額は、年収とは異なるので注意が必要です。

所得金額とは、年収から必要経費を差し引いた金額のことになります。

サラリーマンの場合は、給与所得控除を差し引いた金額となり、年収1220万円が所得金額1000万円に相当します。

 

また、適用となる方すべてが、所得税の免除を受けられるわけではありません。

所得金額が多い方は、所得税が軽減される措置となります。

年収ごとの所得税が軽減される割合は以下の通りとなります。

 

・所得金額500万円以下:全額免除

・所得金額500万円~750万円以下:2分の1免除

・所得金額750万円~1000万円以下:4分の1免除

 

一般的なサラリーマンの方なら、全額または2分の1の免除を受けることができるでしょう。

年収が多い方は、雑損控除の方が有利な場合もあるので、得なほうを選ぶようにしてください。

 

雑損控除とは?

雑損控除とは、災害などで損失を受けた被災者が、所得税の控除を受けられる制度です。

雑損控除の場合は、自然災害だけでなく火災のような人災、害虫などによる被害、盗難や横領などでも適用できます。

資産に損害を受けた場合なら、大抵のケースで適用できる制度なのですね。

 

雑損控除は、所得金額が1000万円以上の方でも使うことができます。

そのため、所得金額が1000万円以上の方は、雑損控除を受けることになるでしょう。

 

雑損控除も所得税を減免してもらえる制度ですが、災害減免法と雑損控除の両方を受けることはできません。

どちらか有利なほうを選択して、適用してもらうことになります。

 

雑損控除で控除される金額

雑損控除は、災害で被害を受けた方なら誰でも適用することができます。

ただし、損失として計上できるのは、住宅や家財の損害金額の時価となります。

購入金額ではないので、注意が必要です。

また、住宅の取り壊しを行う場合、その費用も計上することができます。

 

雑損控除で控除される金額は、以下の計算式で求められます。

 

・損失額(保険金が下りる場合は差し引く)-総所得金額×10%

・損失額(災害関連のみ)-50000円

 

2つの計算式で控除額を出し、より大きな控除額となる方が適用されます。

災害で適用する場合は、-50000が適用されるケースがほとんどになりそうですね。

 

災害減免法と雑損控除の利用法

災害減免法と雑損控除のいずれかを利用する場合は、確定申告のときに申請する必要があります。

サラリーマンの方でも、確定申告が必須となるので忘れないように申告してください。

 

災害減免法を利用する場合は、損失額の明細書が必要です。

専用の雛形があるので、必要事項を記入して作成してください。

 

一方、雑損控除を利用する場合は、災害関連の支出の領収書が必要になります。

領収書がないと災害関連の損失と認められませんので、忘れずにもらってきちんと保管しておくようにしてください。

 

災害から5年以内なら適用できる

災害普及などで忙しく、確定申告ができなかったということもあるでしょう。

確定申告をしないと、災害減免法も雑損控除も受けることができないので、税金を通常通り納めることになります。

これでは、金銭的に余裕が生まれません。

 

ただ、確定申告ができなかったからといって諦めなくても大丈夫です。

確定申告は、「期限後申告」を行うことができ、法定申告期限から5年までならいつでも申告できます。

サラリーマンのように確定申告の必要がなく忘れていた場合でも、5年以内なら納めすぎた税金を取り戻すことができます。

 

また、確定申告は行ったけど、災害減免法や雑損控除を知らなかったという場合も心配ありません。

所得税を納めすぎている場合は「更正の請求」というものを行うことができ、法定申告期限から5年間ならいつでも差額を取り戻すことができます。

 

災害にあったら税金控除を利用する

災害に合うと、普段どおりの生活を取り戻すためにお金が必要になります。

ただ、仕事をするのもままならない状態なので、どうしても周囲の助けも必要になるのです。

 

そんな時、納める税金を軽減できる制度は、被災者のとって非常に役に立ちます。

万が一被災してしまった際は、忘れずに活用するようにしてください。