近年、大規模な自然災害が各地で頻繁に発生しているため、災害ボランティアの活躍も目立つようになってきました。
ボランティアに参加する人が増えれば、災害からの復興も進むでしょうから、非常に素晴らしい取り組みといえるでしょう。
ただ、ボランティアが原因となりトラブルが発生しているという事実もあります。
そのような事態とならないよう、ボランティアに参加する際に知っておくべきことを紹介していこうと思います。
・情報収集を怠らない
被害を受けた範囲が広い場合、ボランティアを必要とする地域も広範囲に及ぶ場合があります。
平成30年の7月豪雨では、西日本の非常に広い範囲に大きな被害を及ぼしました。
このようなケースでは、報道で大きく取り上げられた地域にボランティアが集中するということが発生します。
しかし実際は、ボランティアを求めている地域はもっとたくさんあったりします。
遠くまで出向かなくても、身近に支援を求めている地域があることも考えられるので、まずはどこでボランティアを受け入れているか確認することからはじめてください。
また、時間の経過と共に、ボランティアの募集範囲も変化します。
何も調べずにボランティアセンターに向かうと、できる作業がないなんてことも考えられるので、必ず事前にボランティアセンターが発信する情報を確認してから現地に向かうようにしてください。
・事前準備をしっかりと
被災した地域では、ライフラインが復旧していない可能性もあるので、思うように物資を調達することができません。
食事はもちろん、飲み水の確保も難しい場合があるので、滞在中の食事と飲料水は必ず準備してボランティアに参加する必要があります。
また、ボランティアの活動は、瓦礫や泥の片づけが主な内容となります。
危険な場所での力仕事になるので、軽装では怪我をする危険性を高めてしまいます。
身の安全を守るため、長袖長ズボンを着用することはもちろん、ヘルメットや帽子、安全めがね、ゴーグル、マスク、軍手など、身を守る物を事前に準備して出向くようにしてください。
現地調達はほぼ不可能なので、前日までに準備しておくようにしましょう。
さらに、スコップやバケツなどの資材も、被災地では不足しています。
できるだけ必要な物を事前に確認し、準備できるものは各自で持っていくように心がけてください。
・ボランティア活動保険に加入する
ボランティア活動保険とは、ボランティア活動中に発生した事故や怪我を補償してくれる保険です。
災害ボランティアを行うためには、必ず加入しておく必要があります。
被災地での事務負担を減らすためにも、事前に自宅近くの社会福祉協議会で加入しておくようにしてください。
ボランティア活動保険には、基本タイプと天災タイプの2種類があります。
天災タイプは、地震などによりボランティアが怪我をした場合も補償の対象となります。
余震が懸念される場合は、天災タイプに入っておいた方がいいかもしれません。
それから、ボランティア活動保険は年度内は有効です。
一度どこかのボランティアに参加したときに加入していれば、同年度は重複して加入する必要はありません。
・備品や移動手段、宿泊先も自分で確保しておく
ボランティアには、宿泊場所も用意されていません。
ボランティアにお金を使うよりも、被災者の方々のために使った方がいいですからね。
そのため、自分の食宿泊先は、あらかじめ準備してボランティアに出向かなければなりません。
それから、移動に関してもマイカーはなるべく避けた方が無難でしょう。
なぜなら、駐車スペースがあるとは限らないからです。
適当なスペースに駐車すると、緊急車両や復旧作業の妨げになるおそれもあります。
ボランティアが復興の邪魔をしてしまっては、本末転倒になってしまいます。
・被災者へは最大限の配慮を
勝手に写真を撮られるのを、あまり良く思わない人もいます。
壊れた家屋や避難所の様子などを勝手に撮影するといった行為は、慎むようにしてください。
他にも、大声で騒ぐ、いらない物を押し付けるといったことも、被災者に迷惑をかけるので止めておきましょう。
災害時のボランティアは、被災者の方を尊重することが重要です。
ボランティアが被災者の方のストレスになるような行動は、慎まなければなりません。
・モンスターボランティアにならないよう注意!!
最近では、被災地で問題行動を起こすモンスターボランティアが増えてきているようです。
モンスターボランティアが起こす問題行動には、以下のようなものがあります。
・無料の宿泊所や食事などを要求する
・被災者用の救援物資を使ってしまう
・求められていない活動を勝手に行う
・専門的な支援の邪魔をする
・感謝を要求してくる
ボランティアは災害復興に必要なことですが、モンスターボランティアの行動は復興を遅らせるだけです。
モンスターボランティアの行動は、二次災害ともいえる状況となるおそれがあるので、くれぐれも被災者のための行動であることを忘れないようにしてください。
善意の押しつけは、ボランティア活動とはいえない自分勝手な行動です。
ボランティアは被災地を助ける重要な活動ですが、被災地に出向くことだけが支援となるわけではありません。
募金をしたり、被災地の物を買ったりするだけでも、被災地を支援することは可能です。
自分のできる範囲で構わないので、できることから始めることがボランティアでは重要なことなのです。