災害発生時には、地理的な情報を管理することが不可欠です。

ただ、一言に地理的な情報と言っても、ハザードマップや避難指示エリア、震度分布、避難所、被害想定などなど、非常に多くの情報を管理する必要があり、スピードが求められる災害時の大きな課題となっています。

 

災害時はGISで地理情報を把握しよう

そこで注目されているのが、GISというシステムです。

GISを使えば、地理的な情報の管理が簡単になると言われているのです。

 

GISという言葉は聞きなれないので、何のことか分からない方も多いでしょう。

そこでここでは、GISの基本的な情報を紹介していきたいと思います。

 

GISとは?

GISとは、地理情報システム(Geographic Information System)の頭文字をとった略称です。

地図情報を元に情報を一括で管理できるので、防災以外にも様々な場面で活用されています。

 

災害発生時は、どの地点でどのような被害が出ているか正確に把握することが重要となります。

地図上に情報を落とし込むことで、より正確な情報を一目で把握しやすくなるのです。

 

そこでこれまでの災害の現場でも、地図上に付箋などで情報を書き込むことにより情報を管理してきました。

しかし、複数の人が色々な情報を書き込んでいくため、情報が煩雑になりがちで管理が難しいという課題があります。

 

そこで、地図上の情報を一元管理できるGISの出番というわけです。

GISを活用すれば、手書きでは難しい大量の情報を簡単に管理することができるようになります。

 

GISの活用方法

GISは、災害対策の現場だけでなく、防災い対策や普及作業など様々な形で活躍します。

ここからは、GISがどのように活躍するか紹介していきましょう。

 

災害予防のための情報管理

災害予防のための準備という観点でも、GISは活躍することができます。

まず、地図上で詳細な地形と照らし合わせることで、正確な被害想定が可能となります。

GIS上で被災内容を把握できれば、避難経路や避難方法なども検討しやすくなるのです。

 

それから、緊急時に必要な備品や資材の管理もGIS上で行うこともできます。

どの地点にどれだけの物資や備品があるか可視化しておけば、被害想定と連動させて数量の妥当性を検討しやすくなるのです。

さらに、整備状況や有効期限も可視化しておけば、適切なタイミングでメンテナンスすることもできます。

 

応急対策の状況把握

災害発生時は、人命を最優先に迅速な避難を促さなくてはなりません。

気象状況と現地の状況をGIS上で管理すれば、避難勧告などを的確なタイミングで出すことが可能となります。

 

さらに、災害発生時は刻々と状況が変化します。

その状況に対応して、被害の大きなところから重点的に応急対策を実施することが、災害発生時は求められるのです。

 

GISは、どこでどの程度の被害が発生しているか、視覚的に判断するため役立ちます。

優先して応急対策を行うべき箇所が地図上で浮き彫りとなるので、適切な人員を配置することにも役立つのです。

 

GISを活用すれば、変化し続ける災害の状況を迅速に把握し、常に適切な処置が取れるようになります。

 

災害復旧状況の管理

災害が落ち着いたら復旧活動を行うことになりますが、このような場面でもGISは活躍を見せます。

 

まず、復旧の状況をGIS上で管理すれば、どの地域を重点的に復旧させるべきか把握することができます。

特にライフラインは生活に必須のものであるため、人の多い場所から優先的に復旧しなければなりません。

地域の避難状況などと照らし合わせることで、どこを優先して復旧すべきか分かります。

 

それから、GISを導入することで、復旧の効率化を図ることもできます。

たとえば瓦礫の撤去をする場合、隣接した地点を一度に行ってしまえば無駄な動きがありません。

ところが、GISを導入していないと瓦礫の撤去は申請順となってしまい、作業に無駄が生じるのです。

GISを導入し、近い場所はまとめて対応することで、効率がアップし素早い復旧を可能とするのです。

 

GISの活用事例

平成30年の7月に発生した豪雨災害の復旧作業でも、GISは活躍しました。

浸水の状況などをGISで確認することで、どこにどれだけの支援が必要なのか一目瞭然というわけです。

 

また、ボランティア活動の効率化にも、GISが取り入れられています。

ボランティアで重要なことは、適切な人数の支援者を要請者のもとに送り届けるということです。

無駄を減らし、限られたボランティアの人数で、なるべく多くのニーズを満たす必要があります。

 

そこで、作業の完了状況などをGISで管理することにより、どの地域の復旧が遅れているか一目で分かるようにしました。

これにより、ボランティアの方々も無駄なく作業を進めることができたというわけですね。

 

GISを活用して防災に役立てよう

このように、GISは防災対策から災害からの復旧まで幅広く役立つシステムです。

今後さらに活用の幅を広げていけば、より良い防災対策が実現することでしょう。

さらに、災害が発生した際には人命を守ることにも役立ちます。

1人で多くの命を守ることに繋がるので、活用の幅が広がることに期待しましょう。