日本でも冬になると、北日本を中心に雪が積もります。実は、日本の国土の半分以上が豪雪地帯に指定されているので、積雪のない場所の方が少ないかもしれません。

積雪の多い地域では、スキーやスノーボードなど、冬ならではのレジャーを楽しむことができます。そのため、冬になると多くの観光客が訪れていますね。

 

雪崩に対する準備を行う

ただ、積雪はいいことばかりではありません。毎年、積雪や大雪による自然災害が、各地で必ず発生しています。

その中でも特に怖いのが雪崩です。雪崩は突発的に発生し、巻き込まれると命を落とす危険もある非常に恐ろしい災害なのです。

ここでは、そんな雪崩の基礎を紹介し、雪崩から身を守る方法を考えていきます。

雪崩

雪崩が発生するメカニズム

雪崩は、斜面にある雪や氷が下の方向へ流れ落ちる現象のことを指します。

雪の崩れ落ち方により、次の2つのタイプに分かれています。

 

表層雪崩

表層雪崩は、古い積雪面に積もった新雪のみが滑り落ちるタイプの雪崩です。

積もった雪の表面だけが、滑り落ちるイメージを持ってもらえば分かりやすいと思います。

表層雪崩

雪同士が固まりにくい、厳冬期に多く発生します。

特に一気に新雪が積もった場合や、強風が続いたときは危険度が高まるので注意が必要です。

 

表層雪崩は、雪の上を雪がすべることになるので、スピードが非常に早いのが特徴です。

最高で時速200キロにも達するので、逃げ切ることはほぼ不可能でしょう。

また、スピードが早いため、雪崩がより遠くにまで到達しやすくなります。

 

全層雪崩

全層雪崩は、斜面に積もった雪全てが滑り落ちるタイプの雪崩です。

全ての雪が崩れ落ちるので、発生後の斜面は山肌が露出することになります。

 

特に、雪が溶け始める春先に多く発生します。

また、同じ場所で起こりやすいので、過去に全層雪崩が発生した斜面は注意が必要です。

全層雪崩

全層雪崩は山の斜面を滑り落ちるので、表層雪崩ほどのスピードは出ません。

それでも、最高で時速80キロ程度と、自動車並のスピードはでます。

さらに、深い部分に堆積していた重い雪も一緒に崩れ落ちるため、破壊力はこちらの方が大きくなります。

 

雪崩が発生しやすい場所

雪崩は、勾配が30度以上の急な斜面で発生しやすくなります。

特に、35度を超えるような急勾配なら、非常に危険な場所といえるでしょう。

逆に、勾配が30度未満の緩やかな斜面では、ほとんど雪崩は発生しません。

雪崩2

それから、木がまばらにしか生えていない斜面や、低木林では雪崩が発生しやすいです。

風の影響をもろに受け、雪が動きやすくなりますからね。

逆に、高めの木が密に生えている場所なら、雪を固定する力が働くので雪崩の危険は少ないといえます。

 

雪崩の前兆現象

雪崩が発生する前には、前兆現象が見られることもあります。

この前兆現象を覚えておけば、雪崩からいち早く避難することが可能になるでしょう。

雪崩の前兆現象としては、次の6つが考えられます。

 

雪庇(せっぴ)

山の尾根から、雪が張り出している状態です。

張り出した部分が崩壊し、雪崩を引き起こす原因となります。

雪庇

巻きだれ

雪崩予防柵から、雪が張り出している状態です。

こちらも張り出した部分が崩壊し、雪崩を引き起こす原因となります。

巻きだれ

平らに雪が積もる

斜面であるにもかかわらず、平らに雪が積もった状態です。

内部で雪が動いている可能性があり、表層雪崩が起こる危険があります。

 

スノーボール

斜面を転がり落ちてくる雪の玉です。雪庇や巻だれの一部が落ちてきたもので、量が多いときは雪崩に発展するおそれがあります。

 

クラック

積もった雪がひび割れている状態です。

雪が緩んで少し動いた証拠なので、動きが大きくなると雪崩に発展する可能性が高いです。

雪害8

雪しわ

雪が積もった斜面の表面に、しわ状の模様が現れた状態です。

こちらも、雪が緩んで少し動いた証拠となります。

全層雪崩のおそれがあるので、最大限の警戒をしてください。

雪しわ

 

雪崩に巻き込まれたときの対策

まず、自分が雪崩に巻き込まれそうになったときは横方向に逃げてください。

下に逃げても、雪崩は時速200キロで迫ってくるので逃げ切ることはできません。

 

それでも巻き込まれそうなら、動きやすいよう身体から荷物を外します。

そして、なるべく埋まらないようにするため、雪の中で泳ぐように浮上を試みます。

 

雪が止まりそうな段階では、次々と上から雪が降ってくることが考えられます。

埋まっても息が確保できるよう、手で口の前に空間を作って備えましょう。

もし人の声が聞こえたら、大きな声を出して居場所を知らせて救助を待ちます。

雪崩対策

雪崩に巻き込まれている人を見つけたときは、見失わないように目で追ってください。

そして、巻き込まれた地点と、見えなくなった地点を覚えておきます。

 

雪崩が止まったら、巻き込まれた地点と見えなくなった地点に目印を立て捜索を開始します。

自分も雪に埋もれてしまわないよう、可能な限り応援は呼んでおいた方がいいでしょう。

 

もし雪崩に巻き込まれた時は

雪崩が発生するおそれがある場所は、ハザードマップにもまとめられています。

なので、事前にチェックしておき、危険な箇所には近づかないことが身を守ることにつながるでしょう。

 

それから、雪崩の前兆現象を確認したらただちに避難することも大切です。

同時に警察や消防に連絡して、他の人が被害に合わないようにする必要もあります。

雪崩対策

雪崩の危険箇所は、全国に2万箇所以上もあります。

そして、毎年300件以上の雪崩が実際に発生しているのです。

 

雪崩は、そこまで珍しい現象ではありません。

発生しても身を守れるよう、最低限の知識は身につけておいてください。